輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

【凛空】

(ほんと、こいつは鈍感すぎる…)

ここに来る前、妖の気配を追っていたが、気配は突然消えた。

追うのをやめ会議室に来たら、凛が知らない男と話していた。

俺は、それを見てイラついた。

前までそんなことなかったのに、あいつのこととなると気持ちが揺らぐ。

俺は、その男の背後へと行き、思いっきり睨みつけた。

そのとき、凛が怯えた目を俺に向けていたのに気づき、俺は周りに気づかれないよう軽く微笑んだ。

自己紹介が終わって、凛の隣に座っている男は、達磨凌だと分かった。

それに、この男よく見ればこの中ではかなりの美男子だ。

周りの女たちも凌をちらちらと見ていた。

(あいつ、周りの女子たちの視線に気づいてないのか?)

そして、俺はあることに気づく。

それは、この凌は凛のことをちらちらと見ていからだ。

そんなの簡単な理由だ。

凌は、凛が好きなんだ。

(気に入らねぇ…)

俺はてっきり、凛の友達の女が委員会に参加するんだと思っていた。

(俺の考え不足か…)

絶対あいつに凛は渡さない。

他の奴らにもだ。

凛は、俺の物だ。

凛の自己紹介が終わると、光祐が変なこを言ったから、俺はチョークを掴んであいつに向かって思いっきり放つ。

(凛と凌が付き合ってるわけねぇだろ!!…どうすれば凛と二人きりになれる?)

そこで思い出したのが、生徒会見習いのことだ。

そして俺は、二人を生徒会見習いに選び、凛をできるだけ俺の傍に置かせるため、生徒会長見習いに付けた。

「凛、行くぞ」

「行くってどこに?」

「生徒会長の仕事見たいだろ?」