「みんな揃った?」

すると、今度は女子副会長の宮乃雫夏(みやのしずか)先輩が入ってきた。

「遅いぞ雫夏!何してたんだよ」

「ごめんね、先生に呼び出されちゃって」

雫夏先輩は、会議室をぐるりと見回す。

そして、私と目が合った。

「君……」

「えっ?」

そのとき、私の体に鳥肌が立つ。

(なにこの気配?誰かに見られている?)

「ねぇ!」

「は、はい?!」

「名前は、何ていうの?」

「あ、蘆屋凛です」

「凛ちゃんかぁ、可愛い名前だね」

「は、はぁ……?」

急に話しかけられてびっくりしたけど、さっき感じた気配は何処かへと消えていた。

(一体なんだったの?)

この時間帯に妖が行動を起こすとは思えない。

だとしたら、あの気配はいったい?

「あとは、会長だけか。そういえば、会長のやつ授業戻って来なかったよな?」

「お昼休みの次の授業だけね、図書室に忘れ物取りに行っただけなのに、何かしてたのかな?」

(えっ?!)

てっきり、教室に戻ったと思っていたのに。