「ん?」

どうしたんだろ?

名前で呼ばられるの恥ずかしいのかな?

「ほ、ほら着いたよ」

「あ、ほんとだ」

ここまで来ちゃったけど、やっぱり顔合わせたくない。

それに、声かけられないし。

『お前と俺が幼馴染ってことは、誰にも言うなよ』

その言葉を思い出してムカついてきた。

別に嫌がることじゃないし、いつもの私で居ればいいんだよ。

会議室の扉をノックして、私たちは中へと入る。

「失礼します、一年五組の蘆屋凛です」

「同じく、達磨凌です」

「あっ、来た来た」

私たちを出迎えたくれたのは、男子副会長の矢之光祐(やのこうすけ)先輩だった。

「一年五組は、そこに座ってね。早く始めたいところなんだけど、まだ副会長と会長来てないんだ」

「そうですか……」

その言葉を聞いて、少し安心してしまった。