【凛】

放課後になり、私は帰る支度をしていた。

「今日から委員会の居残りなんて、大変だね」

誰のせいでこうなったと思ってるのよ!

「今日は、顔合わせだけだからすぐに終わるよ」

「ならいいけどさ、お昼休みのあとの授業ぼっーとしてたから、ちょっと心配だけど」

「別に大丈夫」

姫菜子の言う通り、午後の授業はほとんど上の空だった。

もちろん、凛空のことを考えていたからだ。

(はぁ……、凛空に会いずらい)

「蘆屋」

「ん?」

「じゃぁ、私ほ帰るね」

私のすぐ隣に凌が立っていた。

「一緒に行かないか?」

「うん、行こう」

私は、鞄を持って会議室に向かった。

「まさか、蘆屋がこういうのに興味あるなんて、思わなかったな」

「いや……、ははは」

興味なんて一ミリもないよ……。

「それより、苗字じゃなくて名前で呼んでいいよ、私も凌って呼ぶからさ」

「あ、あぁ。分かった」

凌は、軽く頬を赤らめてそっぽをむく。