【ぬらりひょん】

『面白くなってきたのう』

『なぁ親父、次はどうするんだ?』

深い暗闇の中で、妖たちは行動を始めようとしていた。

『さて、どうしようか……』

『俺は早く会いたいよ、凛にね』

一人の男の子の瞳が、暗闇の中で光る。

『そう急ぐな、わしの息子なんじゃから、少しは落ち着け』

『落ち着いてられるかよ、憎い相手なんだ』

男の子は、手のひらの上に黒い炎を出す。

『だって、俺の母さんを殺したんだからさ』

男の子は、その黒い炎に息を吹きかける。

『なら、少し地上に行って来なさい』

『いいのか、親父?』

『あぁ、ただし力は使うんじゃないぞ』

『あぁ、出来たらな』

男の子は瞳を輝かせ、暗闇の中から出て行った。

『やっと、会えるんだ』

真っ黒な黒髪が風になびき、金色の瞳が日に照らされ輝く。

『すぐに殺してやるから、待ってろよ!』

暗闇の中、一人残ったぬらりひょんは、笑みを浮かべていた。

『ほどほどに相手してやれよ、夜(よる)よ』