「もし、凛の封印の印が壊れた時、安倍晴明の子孫であるお前が桔梗印を結ぶんだ」

「分かった」

凛の運命を変えるために、俺は何だってやる。

あいつを守るために。

俺は強くなる。

「話しは、以上だ。最後に──」

「まだあるのか?」

「凛の名前の由来だ。もしぬらりひょんと戦う運命だとしても、来世では幸せになって欲しい。これは、薫子の願いだ」

薫子さんも、凛を守るために命を落とした。

薫子さんは、凛の成長していく姿を一番見たかった人だ。

「なんでそんな大事なことを、俺に言うんだ?直接凛に言っても」

「このことを凛に言うと、母親を思い出して泣き始めるかもしれないからな」

「すべての戦いが終わった時、お前が話してやれ」

「気が向いたらな、これからお前はどうする?」

青龍は、一度言うのをためらってから俺に言う。

「俺は、凛の元には還らない。ぬらりひょんの居場所を突き止めないといけないからな」

「そうか……」

「だが、凛の身に危機が迫った時、俺は凛のもとに駆けつけるつもりだ」

青龍は、俺にそう言い残すと姿を消した。