輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「あいつに、何を言われた?」

「なにも……」

騰蛇は、凛空の出て行った方向を睨みつけるともとの符に戻った。

「……なんで?」

凛空の言葉が私の胸を締め付ける。

『からかっただけ』

からかっただけなら、なんで声が震えていたの?

なんでキスなんてしたの?

「私は……」

今はっきりと分かった。

私の中で幼馴染以上の存在にはならないと思っていた凛空のことを、私は好きになっていた。

この胸の痛みも、凛空といるとドキドキするから。

でも、凛空は私のことを好きじゃない。

あの行動だって、私をからかってるだけ。

(伝えたい。好きってことを凛空にちゃんと)

でも、今は無理だ。

私は、陰陽師の修行に集中しないといけない。

ぬらりひょんを倒した時、生きてるかは分からないけど、その時は凛空に私の気持ちを伝えよう。

ぬいぐるみと砂時計は、ちゃんと渡そう。

一人の好きな男の子として──