輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

【凛空】

凛に手を掴まれ顔を見た時、俺の胸が高なった感じがした。

(どうしたんだ。凛やつ?)

俺の中で気持ちが動く、だけど俺はそれを必死に抑える。

「凛……?」

「あっ!ごめん!」

時間は、授業が始まって五分が経った。

「ごめん、勝手に掴んじゃって。何でもないから」

何でもないなら、なんでそんな寂しそうな顔してるんだよ。

「お前無理してるな」

「な、なにを?」

とぼけるつもりか?

俺に気づかれないように隠してるつもりだろうけど、そんなの無理だ。

「じゃぁ、なにもないなら俺は行く」

凛に背中を向け、図書室の入口に向かって歩きだそうとしたら、また凛に手を掴まれた。

(一体何なんだよ……)

「おいっ!言いたいことがあるならはっきり言え!」

軽く凛を怒った時、凛は再び寂しそうな表情を俺に向けていた。

(なんだよその顔……、反則だろ)

「いいの……」

「えっ?」

何がいいんだ?

「別に、私は凛空と変な噂がたっても、迷惑だなんて思わないし!嫌だとも思わない!!」

あぁ、さっきのことか。