輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「なぁ……、凛」

「な、なに?」

「今年の文化祭、一緒に回らないか?」

「えっ?」

凛空からそんな言葉が出てくるなんて思ってなかった。

「でも、凛空は文化祭忙しいじゃん?」

「それはうまく調節する。でも、それには条件がある」

「条件?」

「お前、文化祭実行委員になれ」

私は、その文化祭実行委員での出来事を思い出して声を上げる。

「あー!もぅそれはいいの!!」

「はっ?」

「だから、もうなったの!」

私がそう言うと、凛空は目を見開く。

「私の友達が勝手に推薦したの、本当はやりたくなかったけど」

「ふっ!」

「な、なんで笑うのよ?!」

「いや、ごめん。でも、なったなら好都合だ」

「なんで?」

なんで好都合なのかな?

「それは、委員会のときにな。あと後夜祭は空けとけよ」

「な、なんで?!」

なんで、後夜祭まで空けるの?

そこで私は、ぬいぐるみと砂時計のことを思いだす。

「あともう一つ」

「な、なに?!」

「お前と俺が幼馴染ってことは秘密だ」

「えっ?」

なんで、幼馴染まで秘密にしないといけないの?

「お前に迷惑かけちゃうからな、俺と変な噂たたせたくないだろ?」

その言葉が私の胸を刺さる。

そこで、タイミングよく授業開始のチャイムが鳴った。

「やべ、戻らないとな。じゃぁ、また放課後にな」

まって……。

待ってよ!!

私は、咄嗟に凛空の手を掴んだ。

「凛?」

「待ってよ!行かないで!」