輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「お前からしたら、信じられねぇかもしれないが事実なんだ」

「聞きたいなぁ、お母様の昔の話し」

騰蛇は、私を見下ろすと軽く微笑む。

「そうだな。今は無理だが落ち着いた頃に話してやる」

騰蛇は、わしゃわしゃと私の髪をかき混ぜると元の符に戻った。

「楽しみだな……」

「何が楽しみなんだ?」

「えっ?」

図書室の入口を見ると、そこには凛空が扉に寄りかかって立っていた。

「凛空?どうしたの」

「ちょっとな」

図書室の扉を閉め、凛空は私のところへと歩いて来る。

「今さっき、騰蛇と話してたよな?」

「うん、お母様の話しを聞いてたの」

「そっか」

凛空は、私の隣に座る。

「それで、凛空は何しに来たの?」

「いや、ただお前の顔見に来ただけ」

「えっ?!」

私の胸が高鳴る。

「ふ、ふーん。そうなんだ」

どうしよう、急に意識してきちゃった。

それに、さっきとは違った胸の痛みまで出てきた。