【凛】

「はぁ……」

家に戻った私は、部屋着に着替えて溜め息をついていた。

さいわい今日は、土曜日で学校は休みだ。

私が溜め息をついている理由というのは、凛空の言葉が頭から離れなかったからだ。

『俺は、お前が好きだよ』

「あー!もぅ!」

頭の中で繰り返すな!

凛空だって、ただからかってきただけだ、間に受けるなぁ!

「あれ?でも、凛空はからかってきただけで、嘘とは言ってないような……?」

からかったのと、嘘は同じになるの?

それとも違うの?!

「うわぁ!もう、分かんない!」

私は、ベッドの上で頭を抱えてゴロゴロする。

「でも……」

凛空が私を好きなんて有り得ない。

だって、いくら幼馴染で大切な人でも私は──。

「凛空を好きになれる自信がないよ……」