「お前、そうやって急に素直になるなよ」

「えっ?」

気づいてないのか……。

「まぁいいや、もう帰れよ」

「うん……、分かった」

まだここに居たそうな表情を浮かべているが、俺の気持ちが限界だ。

凛は俺の部屋から出て行った。

「はぁ……」

俺は、深い溜め息をつく。

「なんであそこまで鈍感なのか、理解ができねぇ」

「それは、そうよ」

「母さん……?」

次に部屋に入ってきたのは、何故かにやついている母さんだった。

「まさか、俺たちの会話を全部聞いていたのかよ?」

「そんなところかしらね、だって凛ちゃん可愛いじゃない?」

普段は厳しい母親を装っている母さんだが、実は凛のことが大好きなんだ。

「さっきの落ち込んで謝ってきた表情だって、すごく可愛かったんだから!」

「もう分かったから出て行ってくれ、頭が痛くなってきた」

「あら?もしかして嫉妬?」

「はぁ……?」

母さんの言葉を怒りを覚えた俺は、低い声でそう言う。

「自分の気持ちを素直に言えない子が、嫉妬だなんて早いことで」

本当に母さんのこと性格はむかつく。

なんで俺があいつに自分の気持ちを言えないかなんて、母さんが一番よく知ってるじゃないか。

「でも、出ていかないといけない雰囲気だから、出ていくけど」

「なんで?」

すると、俺のすぐ傍に青龍が姿を現した。

「青龍?!何故ここにお前が?」

青龍は、符に戻ったんじゃ?

「お前に、話がある」