「俺は死なない。あいつを倒すまで」

「でも、今度あったら今度こそ本当に殺されちゃうんだよ!」

凛は、俺の手を握った。

「私は、凛空を守りたい。絶対死なせたくない!」

それは俺の言葉だ。

俺はどうなったっていい、凛さえ無事でいてくれるなら。

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、女に守られるのはな」

「だって!」

俺は、凛の唇に指を当てる。

「なら、俺を守れるくらい強くなれ」

でも、俺はお前の上を行く。

俺は、もっと強くなる。

「分かった!」

「あともう一つ、夜の学校に行く時は俺も誘え。必ずな」

「うん、分かった」

ぬらりひょんは、俺より先に凛を狙うはずだ。

(しかし、何でぬらりひょんは凛を殺したがる?)

それについても調べる必要がありそうだ。

「そういえば凛空、眼鏡どうしたの?」

「あー……。壊れた」

ぬらりひょんに鞘で殴られている時に、レンズが割れちまったからな。

眼鏡がないせいで、少し視界がぼやけて見えるが、眼鏡の換えはないし。

「私は、眼鏡がない方がいいと思う」

「はっ?」

「かっこいいと思う」

俺は自分の耳を疑った。

俺の前ではいつも強がっている凛が、素直に『かっこいい』と、言ってきたからだ。

何を言ってんだこいつ?

俺の頬が赤くなる。