「私が、凛空をどう思っているか?」

そんなこと考えたこともなかった。

小さい頃、泣き虫だった私の傍に居てくれて、私の中で凛空は憧れの存在だった。

凛空みたいになりたくて、大切な人を守りたくて、凛空を勝手にライバル視して。

結局は何も出来なかった。

私にとって凛空は大切な人だ。

それ以上の考えは今は思いつかない。

それに、紫暮さんのあの言葉も気になる。

あれは、どういう意味だったのかな?

「凛空は、私のことどう思ってる?」

眠っている凛空の髪に触れる。

「俺は──」

「えっ?」

その時、凛空の手が伸びてきて私の手を握った。