それから、何時間眠っていたのだろうか。

「ん……」

目を覚ました私の目には、部屋の天井が映る。

カーテンの間からは、日の光が差し込んでいた。

「ここ、私の部屋?」

服装は制服のままで、腕や首は手当された様子だった。

「たしか、学校で鬼の妖に襲われてぬらりひょんと遭遇して、凛空と──」

私は、そこで凛空のことを思い出し、ベッドから出て急いで階段をかけ降りる。

「お兄ちゃん、お父さん!!」

「凛?!」

「どうしたんだ、そんなに慌てて?怪我の方はもう良いのか?」

「えっ、うん。それより、凛空はどこ?!」

お兄ちゃんとお父さんは、顔を合わせると下を向いた。

「え……?」

「凛空君は」

私は、お父さんの言葉を最後まで聞かず、家を飛び出した。

「ま、待ちなさい!凛!!」

「たく、最後で話聞けよな……」

家を飛び出した私は、隣の凛空の家へと向かった。

門の扉を叩いて、中から人が出てくるのを待つ。

「はい、どちらさ──。り、凛様?!」

「慧子(けいこ)おばさん、こんにちは」

出てきたのは、凛空のおばあちゃんの慧子おばさんだった。

「凛様、お怪我の方はよろしいのですか?」

「私は大丈夫。だけど、凛空のことが心配で」

凛空は、命懸けで私を守ってくれた。

私は、早く凛空が無事かどうか知りたい。