「騰蛇を還してやってくれないか?お前しか還せない」

「うん、分かった」

私は、一度凛空の手を離し騰蛇に手をかざす。

「ありがとう騰蛇。戦ってくれて……、ごめんね」

騰蛇の体は、微かに輝くともとの符へと戻る。

『話は終わったかい?』

「わざわざ待っていたのか?」

『わしももう歳だ、少しくらい休憩せんと、お前さん相手だときついからのぅ』

「そうか……」

青龍は、二刀を構えてぬらりひょんに向かっていく。

ぬらりひょんも刀を構えて迎え撃つ。

『お前さんは、十二天将を抜けたと聞いていたが戻ったのか?』

「そんなこと、お前が知る必要はない」

青龍は、ぬらりひょんを押し返すと、二刀を床に差し、水で創られた大きな水龍を出す。

『これはまた、すさましい力だ』

「これで楽にしてやる。動くなよ」

青龍の合図と共に、水龍はぬらりひょんへと向かっていく。

『そう簡単には死ねませんね』

ぬらりひょんは、刀で水龍を切り裂く。

しかし、水龍はすぐにもとの姿へと戻る。

『むっ?!』

そして、水龍はぬらりひょんを飲み込む。

青龍は、水龍の中へと突っ込むと、水の中に浮くぬらりひょんを斬り捨てた。

綺麗な水の色が、真っ赤な血の色へと変わる。

水龍の中から出た青龍は、違う二刀を鞘に戻し、床に落ちたぬらりひょんを見下ろす。