「騰蛇?どうしたの」

「凛、俺の傍を離れるなよ」

隣を見ると、凛空は驚いた表情をして、騰蛇の見る方へと視線を向けていた。

そして、私の体に鳥肌がたつ。

(この気配、何処かで感じたことがある)

あのときの、妖の声が聞こえてきた。

『おやおや、にぎやかな声がすると思って来てみたら、お前さんたちだったか』

「お、お前は!!」

私は、騰蛇の服を握る。

「ぬらりひょん……」