「ねぇお母様、私も立派な陰陽師になれたら、十二天将の人たちは私に力を貸してくれるかな?」

「大丈夫よ。そんなのお母さんが軽く言えば、みんなあなたに着いて行くから」

「ううん。私ね、自分が十二天将の人たちに認められるまで、お母様の力は借りないよ」

お母様は驚き、軽く微笑むと私の頭をなでてくれた。

「そうね、あなただったら、きっと良い陰陽師になれると思うわよ

『なかなか親想いな、娘さんですな』

「っ!」

「えっ!?」

私は、目を疑った。

だってそこには、さっき倒されたはずのぬらりひょんが立っていたから。

「なんで、生きているの?さっき騰蛇に──」

『おまえさんも、ワシを甘く見すぎですよ。でも、流石に痛みは感じますがね』

私は、お母様の後ろへと隠れる。

『そんなに、怖がらなくてもいいんだよ娘さん』

ぬらりひょんは、冷たい目で私を見てきた。

(この人、すごく嫌な感じがする……)

小さかった私でも、それは理解出来た。

この人は、とても危ない人だと。

「凛!あなたはさっきのところに隠れて──」

そのとき、一体何が起こったのか分からなかった。

気づいた時、私はお母様の腕の中にいた。