「何だよ凛空。俺に面倒なこと押し付けんなよ」

「面倒なことじゃない。凛の護衛だ」

「それが面倒なんだよ」

朱雀は、宙に浮き大きくあくびをする。

「暇そうなお前が一番適任だと思ってな」

「……そういう所そっくりだな」

「あの、面倒なら別に朱雀じゃなくても」

朱雀は、じっと私を見下ろすと、私の隣へと座る。

そして、またじっと私を見てくる。

「な、なに?」

「いや別に、似てると思ってさ」

「似てる?」

似てるって誰と?

「朱雀、余計なことは言うな」

「はいはい。面倒だけど、やってやるよ護衛」

「ありがとう朱雀、じゃぁしばらくお前は凛の所へ行ってろ」

「は?」

凛空は、私に朱雀の符を渡した。

「これで、ゆっくり騰蛇と話せるぞ」

「お前…」

そっか、朱雀と騰蛇は同じ炎を使うから、気が合うんだ。

「僕は別に、騰蛇さんと話したいわけじゃない」

「太陰から聞いてるぞ、騰蛇と話したがっているって」

「あいつ…」

朱雀は、ちょっとだけ頬を赤らめた。