「夜が凛のクラスに転入してきた?!」

「うん…」

私は今、凛空の部屋にいる。

夜のことを早く凛空に伝える為だった。

「何であいつが人間の学校になんか」

「分からない」

私が覚えている夜は、意識が消えていく中での、あの金色の瞳。

そして、私を殺しに来た時。

だけど、あの金色の瞳には、何故か見てるだけで心地よく感じる時がある。

懐かしいっていうか、何ていうか……。

安心する…のかな?

「とりあえず、夜には近づくな」

「うん。でも、あれだけ人がいるんだから、夜も大きなことは起こせないと思う」

「そうだな…」

私は、凛空の部屋の中を見回す。

(あ、あった)

やっぱり、本棚の上に熊のぬいぐるみが置いてあった。

「なんで夜が…、凛を見張るためか?」

凛空は、ぶつぶつと呟いている。

凛空は、私のために色々と考えてくれている。

だけど、私はそれに甘えてばかり。

(私が凛空に好きだと伝えたら、凛空何て言ってくれるかな…?)

『ガキみたいなお前と付き合えるわけないだろ』

一瞬そんな光景が頭をよぎり、イラッと来た。

「なぁ凛」

「なに?!」

「な、何怒ってんだよ」

「別に」

私はそっぽを向く。

「ま、いいや。とにかくお前には護衛をつける」

「護衛?なら騰蛇がいるか大丈夫だよ」

「駄目だ。騰蛇はいざって時に残しておけ」

空は、一枚の符を取り出す。

「我の名に従いその姿を現せ、十二天将の一人朱雀」

朱雀は、俺の隣に姿を現す。