「無理無理!絶対聞けない!」

「じゃぁ、恋のジンクスは諦めなよ」

「う…」

ここで諦めるわけには……。

でも凛空の好きなのぬいぐるみとか知らないし。

「あ……」

私は、ある事を思い出した。

(そういえば、凛空の部屋に熊のぬいぐるみがあったはず!)

うろ覚えだけど、確かあったはず。

「今日凛空の家に行って確かめてみる」

「心当たりがあるなら良かった。じゃぁ後は渡す場所ね」

「渡す場所?」

「渡す場所は、月が綺麗に見えるところ」

そんな場所知らないんだけど、月なんてどれも同じに見えるし。

「姫菜子は、その場所知ってるの?」

「さぁ?」

私は、脱力した。

「じゃぁ無理じゃん!」

「無理じゃないよ、凛が自分で探すんだよ」

「わ、私が?!」

な、なんで私がそこまでしないといけないの?!

「……分かった」

でも、ここで諦められない。

「よし、話は以上だよ。教室戻ろっか」

「うん」

私たちは、図書館から出て教室へと戻った。

「あれ?何か騒がしくない?」

「そうだね、何だろう?」

教室には、他クラスの女子たちが集まって騒いでいた。