輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

『だが、それを行えばその持ち主の意識は消える』

「え……」

「凛ちゃんの意識は消えて、体の持ち主は凛音ちゃんに変わるの」

「そんなこと分かってる!けど……」

凛が消えるなんて、そんなの嫌だ!

『そして、問題はお前だ』

「俺……」

そうだ、仮に凛の体が凛音の物になったら、あいつは新しい一族の力を再び得る。

だけど、俺には何も無い。

『そこでまず、お前は村雨を手に入れろ。そうしたら、十六歳になるときある場所へいけ』

「ある場所?」

俺は、そこに書かれた名前を見て驚く。

「―――そうか」

『お前たちがぬらりひょんと戦うのは、十八歳だ』

じゃぁ、残り三年でぬらりひょんを倒せるくらい強くなれと。

俺は、手紙をポケットにしまう。

「どうするの?私もあの場所は信用できない」

「それは俺も同じだ。だけど、空さんが勧めているところだ。強くなれるヒントがあるはずだ」

「そっか、なら私たちも動き始めるよ」

太陰は、そう言い水晶玉を出す。

「紫暮は、凛空には高校に行ってもらいたいと思うけど、それは私の方から話しておく?」

「いや、俺が話す」

ここに書いてある場所で強くなれるなら、俺は必ず行く。

俺は、もう一枚紙があることに気づき、手紙を広げる。

そして、そこに書いてあることに俺は声を上げる。

「はぁ?!」

そこには、こう書いてあった。

『お前が十八歳ともなれば、凛音の魂の持ち主と祝言をあげられることだろう。必ず祝言をあげろよ。俺の生まれ変わりなら、絶対好きになるはずだから』

と最後に長々と書かれていた。