輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「あの、凛空様…」

勾陳は、一歩前に出ると深々と頭を下げた。

「先代の勾陳様が……、空様たちに…ご迷惑を…かけて…しまって……、申し訳ございませんでした……!」

「な、なんで勾陳が謝るんだよ!」

「だって…、太陰から凛空様は…、空様の生まれ変わりだと…聞いたので…」

あー…、何かそんなこと言われたな。

俺自身もよく分かっていない。

俺が空さんの生まれ変わりだって。

そんな実感しないのに……。

でも、十二天将たちはそう思っているんだろう。

俺には感じない、何かを感じで。

「何て言えばいいんだろう…」

空さんならきっと―――。

「別にいいよ。勾陳が悪いわけじゃないし、空さんなら許してくれる」

空さんなら、きっとこう言うはずだ。

「本当にそっくりだね」

「あのなぁ、そっくりだって言われても分かんねぇよ」

「いいの分かんなくて、空様は空様だから」

だから、その空さんが俺なんだろうが…!

「お前も勾陳みたいに俺を様付して呼べ、空さんの時みたいに」

「あらごめんね、私が様付して呼ぶの空様だけだから」

こいつ…。

過去の太陰を見た時、なんて素直なんだと思ったが。

どこでこう性格が変わったんだ。