輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

太陰は、その木に近づく。

「ほら!凛空が居るんだから話さなくちゃ!」

そう言い太陰は、無理矢理勾陳の腕を引っ張る。

「お、おい…。そんなに無理しなくていいんだぞ」

なんか、初めて会うってのにこんな反応されたら、今後どう接していいか分からなくなる。

「ほーら!」

太陰に引っ張られて来て、俺は勾陳の姿を見て驚く。

「え…」

目の前には、太陰と同い年くらいの少女が赤面して立っていた。

「こ、これが勾陳なのか…?」

俺がそう言うと、勾陳は太陰の後ろに隠れてしまう。

「そう、この子が新しい勾陳」

勾陳は、太陰の後ろからじっと俺を見てくる。

(本当にあの勾陳なのか?前の勾陳と違って人見知りが激しいっていうか…)

「あ、あの…」

勾陳は、ゆっくりと話し出す。

「は、初めまして……勾陳です。凛空様に…お会い出来て…光栄です…」

と、初めて『凛空様』と呼ばれて、ちょっと嬉しくなる。

「あぁ、初めましてだな。なんで出てこなかったんだ?」

「勾陳は、凄い恥ずかしがり屋なの。それで、中々出て来ないの」

「あっちの世界でもか?」

「そう、自分の部屋に引きこもっちゃってね。だから、説得するのに時間がかかっちゃって」

そういうことか……。

別に俺を嫌っていたわけじゃないのか。