輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

我ながらに大人気ないことをしたと、少し反省している。

「俺が心配するまでもないか…」

どうせした振りだろうから。

「凛空〜!」

すると、太陰の符が浮かび上がって、太陰が姿を現す。

「どうした?太陰」

「あのね、勾陳からやっと許可貰ったんだ!」

「勾陳?」

俺は、過去で見た勾陳を思い出す。

(いや、過去の勾陳ではなく、今の勾陳か……)

「何の許可だよ」

「だーかーらー、凛空と話をしてくれるってこと!」

「俺と話?」

俺と勾陳が話すってことか?

でも、勾陳は過去のことを覚えていないし、俺に何を話すっていうんだ?

「ま、いいや。今連れてくる」

「は!今かよ」

「今なの!あと、勾陳と話す時大きな声とかあげないでね」

「え……?」

どういうことだ?

勾陳の符は浮かび上がると、彼女は姿を現す。

だけど……。

「あれ?姿がないけど」

「あれ?」

俺たちは、辺りを見回す。

すると、近くの木の後ろに誰かが蹲っていた。

「あれは……」

ひょっとして…。

「あ、いたいた!」