【凛】

「おはよー!」

「おはよう凛」

あれから数日が経って、妖たちの襲撃は今のところはない。

「おーい、席つけ」

先生が教室に入ってきて、みんなはそれぞれ席に着く。

「出席とるぞ、蘆屋」

「はい」

最近特に変わったことはなかったけど、今日から月影祭の準備が始まる。

「今日から月影祭の準備が始まるわけだが、えっと…、うちのクラスは何やるんだ?」

凌は、立ち上がりノートを広げる。

「僕たちのクラスは、劇をやります」

「何の劇だっけ?」

先生覚えておいてくださいよ…。

「劇の内容は、白雪姫です」

「へぇー、じゃぁ主役の白雪姫は誰なんだ?」

「それは、これから決めます」

凌は、そう言いくじ引きの箱を出した。

「それでは、くじを引いてください」

みんなは、ぞろぞろと凌の机の周りに集まる。

「ほら、引きに行くよ凛」

「うん」

まぁ、白雪姫なら何の役でもいいや、小人だったり、動物だったり。

あー、でも悪いお母さん役はやりたくないなぁ。

と思いくじ引きの箱に手を入れ、一枚の紙を取り出す。

「やった、私白雪姫のお母さん役だ」

「よ、良かったね」

まぁ、姫菜子なら役こなせそう…。

「凛は、何だったの?」

「え、私は……」

私は、紙に書かれている文字を見て驚く。

「し、白雪姫……」