子供も、知世音も……。

『俺は、死ねなかった』

どんなに全力で凛音たちに向かっていっても、死のうと試みても、やっぱり死ねない。

俺は、早く知世音の元に行きたい。

『もう少し待っててくれ、知世音…』

俺は、赤子に俺の力を授けた。

『お前は、陰陽師の血と妖の血をもつ陰陽師だ。そして、俺の息子だ』

俺は、空を見上げていう。

『お前は、今日から“夜"だ。俺を殺すために強くなれよ』

それまでは生かしてやる。

もしかしたら、お前の母親にでも会うかもな。

夜は、俺の顔を見ると笑った。

『何故笑う、俺は妖の総大将だぞ』

夜は、笑いながら俺には手を伸ばす。

『まるで、知世音みたいだな。お前は……』

俺は、夜を連れて森の中へと消えた。