【凛空】

「おい、どういうことだ!」

俺は、太陰に聞く。

「凛音に輪廻転生の術をかけたのは、ぬらりひょんじゃなくて、安倍晴明じゃないか!」

「……」

太陰は、何も言わない。

「なんで、嘘をついた!」

「嘘じゃない!このあと調べて色々とわかったのよ!」

太陰と俺たちは、元の部屋へと戻ってきた。

「調べて分かったって、何だよ」

「あの六道輪廻の術は、元々ぬらりひょんが作り出した術なのよ。今は、輪廻転生の術って呼んでるけど…」

「ぬらりひょんが……、だけど何で安倍晴明が!」

「晴明様の記憶を辿ってみたら、ぬらりひょんと接触していて……」

「じゃぁ、術をかけたのは安倍晴明だが、術を作ったのはぬらりひょん。だから、ぬらりひょんを殺さないといけない……」

「そう、だから決して嘘なんてついていない」

太陰の言う通り、嘘はついていない。

じゃぁ、やっぱりぬらりひょんを殺すこと以外術を解く方法はないのか。

俺は、天のことを思い出した。

「そういえば、天はどうなった」

「それが……。秦様は妖たちに殺されていて、天様も……」

「そうか……」

結局新しい一族は、全滅したのか……。

だけど、凛音のあの力は凄かった。