「天空、俺たちをある場所に連れていって欲しい」

天空は、頷くと私たちに手をかざした。

そして、私たちが飛ばされたのは、あの花畑だった。

気がつけば、空はもうすっかり暗くなっていた。

「月が……、綺麗だ」

「そうだな……」

ここでは、いろんなことを思いだす。

空と別れた時のこと、空と愛を確かめあったこと、空と天と三人で過ごしたこと。

「凛音、さっきの五芒星の印は、六道輪廻の術と言って、お前の魂を何度も生まれ変わせるんだ」

「私の…、魂を…」

「あぁ」

空の頬に涙が溢れた。

「すまない凛音、お前には辛いことをさせる」

「……どうしてだ?」

「え…」

私は、微笑む。

「魂の転生をするってことは、またいつか空に会える」

「俺に……」

「うん、また空に会えるから、私は嬉しい」

私がそう言うと、空は私に苦笑を見せた。

「お前ってやつは……」

「ねぇ、空……」

「なんだ?」

私の意識は、遠くなり始めていた。

「来世では、私たちは幸せになれるかな?」

「……なれるさ」

「空は、私を助けてくれる?」

「あぁ、約束する。俺は、未来で必ずお前を助ける」

「……約束だ…」

私たちは、最後の接吻を交わした。

すまない秦、約束守れない。

私の体は、光を放ち始める。

「空……、やっぱりね死ぬのは怖いよ」

「凛音、大丈夫だ。俺が手を握ててやる」

「ありがとう……」

私は、空に身をゆだねて、眠りに入った。