『空、お前の体はもう限界だろ』

「限界だって、決めつけるなよ……」

私の体は、咄嗟に動いた。

『じゃぁ、死ね』

ぬらりひょんが空に刀を振り下ろそうとしたとき―――。

「やめてー!」

「凛音!」

私は、空の目の前へと立ち、代わりにぬらりひょんの刀を受けた。

「……り、凛音!!!!」

ぬらりひょんは、驚いた表情をしていた。

『ち、知世音……』

ぬらりひょんは、確かに姉様の名前を呼んだ。

「凛音!!」

倒れる私を、空は抱きしめる。

「なんで……、凛音……。俺なんかを……」

「だって…、守り…たかっ…たから…」

ぬらりひょんは、私たちを見下ろして、踵を返し去っていく。

そして、私たちの周りに五芒星の印が現れる。

「これは……まさか」

「何だろう、すごく温かい…」

印は、小さくなり私の体に五芒星を刻んだ。

「あのクソジジイ……。死ぬ間際に……」

空が何を言っているのか分からなかった。

「凛音様!」

すると、他の十二天将立ちが天空たちと共に姿を現す。

「太陰、これは」

太陰は、顔を手で覆って泣いていた。

騰蛇は、悔しそうに顔を伏せていた。

「みんな、そんな顔しないで」

私は、空の頬に触れる。

「ねぇ空、私あそこに行きたい…」

「あそこ……?」

空は思い出したのか、天空に声をかける。