『無様だったな勾陣、最後は主を守って死ぬなんてな』

「ぬらりひょん……」

『だが、あの女のおかげで、お前はこっちに戻ってこれたんだ。良かったな凛音』

「ちっとも嬉しくない」

私は、誰も死なせない為に戦ってきた。

だけど、勾陣の死を招いたのは私だ。

私が怒りと憎しみに囚われなければ、こんなことには……。

私は、立ち上がろうとする。

だけど、力を使いすぎたのか体がふらつく。

『今のお前では、もう俺には勝てない』

「……」

私の隣に空が立つ。

「空……?」

「お前は、よく頑張った」

空は、ぬらりひょんに刀を向ける。

「ぬらりひょん、俺が相手だ」

「駄目だよ空、空まで死んじゃう……!」

空は、私の顔を覗き込むと、私に口づけをした。

「ん……」

「これで、力を貰った」

空は、ぬらりひょんに向かっていった。

「駄目……」

これじゃぁ、予知夢通りになる。

「騰蛇!空を止めて!」

「言われるまでもねぇ!」

騰蛇もぬらりひょんに向かっていく。

『幾ら二人が来ようが、俺は倒せないぞ』

ぬらりひょんは、更に動きを早くし、空と騰蛇を切る。

「ぐ!」

「がはっ!」

「空!騰蛇!!」

騰蛇は、その場に倒れる。

「くっ…そ……」

空は、刀を地面にさして体を支えながら立ち上がる。