【凛音】

ぬらりひょんと私の刀が何度もぶつかりあったせいか、私の刀にヒビが入った。

「!」

『おりゃぁ!』

そして、粉々に砕け散った。

「そんな!」

このままじゃ……。

『死ねぇ!!』

このままじゃ死ぬ……!!

そう思った時、私の瞳に一つの影が映った。

そして、私の代わりにぬらりひょんに切られた。

「こ、勾陣…!!!」

切られた勾陣は、後ろへと倒れる。

私は、勾陣を支える。

「勾陣!!!」

その時、私の意識は戻った。

「なんで、こんな真似を……」

「申し訳ございません。凛音様……」

「喋るな!今手当を」

「この怪我では無理です」

「勾陣……」

私の頬に涙が溢れる。

「凛音様……、私は死んでも大丈夫です。十二天将は、生き還りますから」

「でも、それは勾陣じゃない!」

死んだ十二天将は、また生まれ変わる。

姿形が同じであっても、性格や記憶は全く受け継がれない。

「これで、私はいいのです。新しくやり直せる」

勾陣は、そういい目を閉じた。

「こ、勾陣!嫌だ!!」

「私は、貴方様にお仕えすることが出来て、幸せでした。でも、申し訳ございません」

「なんで、謝る……。謝らないといけないのは、私なのに……」

勾陣や体が光を放つ。

「だ、駄目だよ勾陣!!」

勾陣は、それ以上は何も言わなかった。

そして、そのまま消えてしまった。

「いや……、勾陣!!!!」

『ふははははははは』

私は、声を上げて笑うぬらりひょんを睨みつける。