【凛音】

姉様たちと血が繋がっていない真実を、私は突きつけられた。

ぬらりひょんの言葉など偽りだと思った。

だけど、空までもがそう言い切った。

じゃぁ、私は一体なんなのだ?

どういう存在なんだ。

私の中で、今まで忘れ去られた記憶が戻って来る。

(嫌だ……、怖い……)

私の意識が呑まれていく。

「いやぁぁぁぁ」

「凛音!」

空が傍に居るはずなのに、空の声が聞こえない。

『ちっ……』

ぬらりひょんは、私たちに向かってくる。

『いつまでそうやってるつもりだ!』

「やらせるかぁ!」

騰蛇がぬらりひょんを迎え撃つ。

「風・竜巻!」

騰蛇と太陰がぬらりひょんの足止めをする。

『邪魔だ!』

しかし、ぬらりひょんは太陰との距離を縮める。

「は、早い!」

ぬらりひょんが太陰を切り捨てようとしたとき、太陰の目の前に水流が現れる。

『これは……』

ぬらりひょんは、青龍の居る方へと目を向ける。

『…銀!!』

青龍は、ぬらりひょんを見下ろした。

「頭が……痛い……」

「凛音!しっかりしろ!」

私は、一人なんだ。

なら、もう居ても…仕方がない……。

私は、カッと目を見開き、空を吹き飛ばす。

「うわぁ!」

「なんだ?」

私は、刀を拾う。

そして、ぬらりひょんに向き直る。

『完全にお目覚めか…』

「ぬらりひょん…、私はお前を許さない…」

『なら…、殺して見ろ』

予知夢が現実となる。

『なら、本気で行く』