輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「でも、私が何とかしないと」

鬼の妖と遭遇しても、朝まで逃げ切れればいいこと。

毎朝走ってるから体力にはそれなりに自信がある。

私は、化学室の時計に目を向ける。

「五時……」

深夜まで時間はあるから、少し寝て体力を温存しておこう。

私は、壁に寄りかかり体育座りをし顔を膝へと埋める。

(でも、やっぱり一人は怖い……)

一人だとあの時の光景が脳裏に浮かんできて、私の体は恐怖心で縛られる。

いつもなら、手元に十二天将たちの符があるから大抵の事は怖くない。

でも、今の私のところにはそれがない。

(凛空……)

なぜか私の中には、凛空の名前が浮かび上がった。