「お前らしくもないな、お礼を言うなんて」

「俺だって礼くらい言うさ、今度いつ言えるか分からないからな」

秦は、頬を赤く染めてそっぽを向く。

「ありがとう秦、私は必ず帰ってくる」

「あぁ、天と一緒に待ってる。必ず空と戻ってこい」

「うん」

私は、秦の部屋を出たあと自分の部屋へと戻った。

それから数日後、晴明様から蘆屋家に妖怪大戦の日が言い渡された。

ここから先の予知夢が、私にとっての悲劇の始まりだということに、私たち自身は知らなかった。