「ふざけるな!!」

私は、思わずビクッとなってしまった。

「どういう理由があるか知らないけど、陰陽師が妖怪大戦に出ないということは、家への裏切りとして取られるんだぞ!」

「でも、お前にしか頼めないんだ!」

私は、秦に頭を下げる。

「お前がこの家の為に強くなろうとして頑張ってきていたのは、私が一番よく知っている!だから、お前にしか頼めないんだ!」

「……」

秦は、私をじっと見てきて一回大きく息を吐くと、私に聞いてきた。

「ちゃんと理由を説明しろ」

「…実は…」

私は、予知夢のことを秦に話した。

「じゃぁ、その予知夢が原因で、お前の身に何かあるってことなんだな」

「そうだ。だからお前たちを巻き込まないためにもって思って…」

やっぱり、秦は怒るよね…。

「でも、一番天の傍に居てやるのは、お前なんじゃないのか?」

「え…」

私は、秦の意外な言葉に驚く。

「確かに、天の傍に居てあげたほうが良いのかもしれない、だけど私は蘆屋の当主だ。皆を守らないといけない」

「……」

秦は、しばらく黙ったあとに言った。

「分かった、天の事は俺に任せろ」

「ほ、本当か!」

「あぁ、だけど約束しろ」

「約束?」

秦は、私に手を差し出す。

「必ず生きて帰ってこい。帰ってきたら、天をお前に託す。そして、俺は蘆屋には凛音は死んだことにする」

「な、何を言うんだ?!」

い、いきなり人を死んだ扱いにするなんて…。