でも、今まで予知夢なんて見たことがなかった。

予知夢を見ると言うことは、自分の身に何かが起こること。

「自分の身に何かが…」

私は、隣で寝ている天に目を向ける。

「天を巻き込む訳には行かない…」

自分の身に何かが起こるとするなら、それはきっと妖怪大戦の時だろう。

妖怪大戦が大きくなれば、ここにまで被害が及ぶ。

天のことは、秦に任せよう。

私は、再び横になり、目を閉じた。

翌日、私は秦の部屋へと向かっていた。

「秦、入るぞ」

「あぁ」

私は、秦の部屋へと入り、秦の近くに座る。

「どうした?お前が俺の部屋に来るなんて珍しいな」

「そうか?それより、お前に頼みがあるんだ」

「なんだ?」

「近々妖怪大戦が起こる、その時に天と一緒にここを離れてもらいたいんだ」

「…俺に妖怪大戦に参加するなと言っているのか?」

「そうだ」

秦は、拳に力を込めて思いっきり畳を叩いた。