輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

大好きな姉様が行方不明なのに、探しに行けないなんて。

「それに、晴明様から言われておるんだ」

「えっ?」

「近々、妖怪大戦が起きると言う」

「妖怪大戦が…」

いよいよなのか…。

なら、私は姉様を探しには行けない。

当主としてここに残り、皆を守らないといけない。

それに、ぬらりひょんを倒すという私の使命もある。

「分かりました。姉様のことは、他の者に任せます」

「すまない凛音。本当は行かせてやりたいとは思っているんだ。だが、分かってくれ」

「はい、父上」

私は、自分の部屋へと戻った。

そして、その場に座り込む。

「姉様…」

畳の上に涙が落ちる。

本当は、今すぐにでも姉様を探しに出たい。

でも、それはできないことだ。

私は、静かに寝ている天を見下ろす。

「姉様にも、天を会わせてあげたい…」