「閉じ込められた…」

結界に閉じ込められるなんて、全然気づかなかった。

「夜になるまでここで待たないといけないのかな……」

この結界を張ったのは、おそらく手紙に書かれていた鬼の妖。

私の存在に気づいて結界を張ったのかもしれない。

「今日の夕食係私なのに……」

いや、そんな事よりもどうやってここから出るかを考えないと。

もしかしたら、ここから出るには鬼の妖を倒さないと出れないのかもしれない。

となると、さっき言ったとおり鬼が出てくる深夜までここに居なければならない。

「でも、鬼が出てきても……」

今の私の手元には、十二天将たちを呼び出す符がない。

全部教室に置いてきたから……。

(どうしよう……、朝まで逃げ切れる自信がない)

朝になったら妖が張った結界は解かれると思うけど、相手が鬼の妖となると逃げ切るのは難しい。

それに、この結界の中は化学室周辺を囲んでいる。

つまり私は袋の中のねずみということだ。