輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

【凛音】

「姉様が行方不明?!」

父上に呼ばれて、突如そんなことを言い渡された。

「そんな、姉様が行方不明ってどういうことですか?!」

「それが私にも分からないんだ。知世音の様子を見にと貴族様のところへと、家の者を行かせたのだが…」

父上は、そこから先を言いづらそうにしていた。

「父上、話してください。何があったのですか?」

「家の者から話を聞いたところ、誰も居なかったのだ」

「居なかった?」

「貴族様の屋敷は、何者かによって焼かれ、皆殺しにされていたと言うのだ」

私は、驚いて肩が上がった。

「皆殺しなんて…」

酷いことをする…。

「では、姉様はどこへ?」

「これは、私の考えなのだが…。知世音は妖に連れ去られたのではないかと」

「妖に?!」

何で妖が姉様を狙うんだ?

だって姉様は、普通の人なのに。

「家の者に探してもらっているが、未だに返事が来ないのだ」

「そんな…」

私は、両手に力をこめる。

(姉様が…)

私の中で、姉様の笑顔が浮かんだ。

「父上、私が探しに行ってもいいですか?!」

「それは駄目だ」

「何故ですか?!」

「お前は、今の蘆屋の当主なんだぞ。当主が屋敷を留守にすることなどできん」

「くっ…」