輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「天、初めましてだな」

空は、天の頭を優しく撫でる。

「ほんと、生まれた赤ん坊ってみんな同じような顔してるよな」

「そうなのか?」

私は、空に手を引かれて座る。

「あぁ、幸が生まれたときも、天と同じような顔をしていた」

「そうか、幸は元気にしているのか?」

「ま、それなりに。毎晩毎晩俺の部屋に入って来ては、寝ている俺にちょっかいだしてきて、おかげでこっちは眠れない」

空はそう言い、大きくあくびをした。

「なんだか、空そっくりだな」

「おいおい、一応言っておくが幸は女の子だぞ。俺じゃなくて、菊夜みたいなおしとやかな女の子になってもらいたいね」

「それもそうだな。空みたいに育ったら幸がなんだか可哀想だし」

「おい…、どういう意味だ」

私は、空に頬をつねられる。

「い、いひゃいよ!」

「お前が変なこと言うからだろ」

空はそう言い、悪戯じみた表情をすると、私の唇に自分の唇を当てた。

「ん!」

急にされて驚いてしまった。

「い、いきなり何をするんだ!」

「今更そんなに驚かなくてもいいだろ。これが初めてじゃないんだし」

「そう、そうだけど…」

やっぱり、急にされると恥ずかしくて胸がドキドキするっていうか…。