輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

【凛音】

天が生まれてから数日後の夜、私は天と一緒にあの場所へと向かっていた。

季節が変わって寒い時期だから、私は天の体を冷やさないように、騰蛇から貰った火のお守りを天の首から下げさせていた。

この火のお守りは、身ごもった私の体を冷やさないようにと、騰蛇がくれたものだ。

だけど、もう私には必要ない。

だから、天に授けた。

「急がないとな」

私は、空が待つ小屋へと向かった。

「すまない空、待たせたな」

小屋の中へと入ると、火を焚いている空が振り返った。

「遅いぞ、凛音」

あの戦いから、空はあまり動けない体へとなっていた。

普通に生活は出来るものの、走ったり符を使うのは、もう儘ならない状態だ。

「空…、会うとは言ったけど、体は大丈夫なのか?」

「あぁ、別に大丈夫だ。符を使ったり走ったりしなければ、普通に歩ける」

空は、私のところへと来ると優しく抱き締めてくれた。

「勾陳から聞いた。左目、見えるようになったんだな」

「うん、勾陳のお陰でな…」

左目に空の姿が映る。

真っ暗な世界ではなく、ちゃんと空の姿が見える。