輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「本当か!凛音!」

「うん、見える…。天や秦たちの姿が見える!」

私の目から涙がこぼれる。

「でも、何で急に見えるように…」

「凛音様は、見鬼の才を半分ぬらりひょんに奪われて、左目が見えなくなりましたが、見鬼の才を奪われたからといって、左目が完全に見えなくなるわけではありません」

「じゃぁ、勾陳はずっと…」

勾陳は、立ち上がり言った。

「でも、左目が見えるようになっても、見鬼の才は戻りません。時間はかかりましたが、無事見えるようにって良かったです」

「ありがとう…、勾陳」

勾陳は、私に微笑み返すと元の符へと戻った。

「見鬼の才がなくても、左目が見えるようになっただけで十分だ」

「だけど凛音、無茶はするなよ。お前は、今日から母親なんだからさ」

「あぁ、分かってる」

私は、まだ小さな天の手を握る。

「天、これからよろしくな」