「凛音様です」

凛音の名前を聞いて目を見開く。

「凛音が来たのか?!」

「はい、空様を心配していました」

じゃぁ、やっぱりあの温もりは凛音。

俺に光をくれたのも…。

「そうか…」

俺は、体に巻かれている布を見る。

「当分動けそうにないか…」

「凛音様は、凄く心配されていました。もう無理をするのはやめてください」

「……」

俺は、菊夜の言葉に返事が出来なかった。

この先の戦いで無理をするなって言うのが無理だからだ。

無理をして戦わなければ、あいつを倒すことはできない。

「心配してくれてありがとう、なるべくそうするよ」

「……」

菊夜は、空に浮かぶ月を見上げる。

「いくら止めても無駄だということは承知しています。ですが、凛音様の為にも生きてください」

「…お前…まさか?」

知っているのか?俺と凛音の関係を?

「気づかれないようにしていたおつもりでしょうが、全てお見通しです」

まったく、女には敵わないな。

「いつ頃から気づいていたんだ」