輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

安倍家に入り、私は深呼吸をする。

「すー…、はぁー…」

そして、ゆっくりと息を吐く。

「よし!」

覚悟を決めて中に入ろうとしたとき――。

「どちら様ですか?」

中から綺麗な女性が出てきた。

「え、あの…。私は、凛音です」

「凛音様…、ということは蘆屋凛音様ですか!」

「あ、はい」

女性は、礼儀正しく頭を下げると言う。

「初めまして、私は安倍菊夜と申します。空様の妻でございます」

「空の?」

この人が、空の…。

「どうしてここへ?」

「空が心配で来ました」

「空様のことを、お聞きになりましたのね」

菊夜さんは、立ち上がると言う。

「ご案内致します」

「ありがとうございます」

菊夜さんの後ろをついて歩く。

「あの、一つ良いですか?」

「はい?」

「貴方にとって、空さまはどんな存在ですか?」

菊夜さんは、突然変なことを聞いてきた。

(私にとって空は…)

菊夜さんの瞳からは、真剣な気持ちが伝わってきた。

私は、自分の中で考える。

「私にとって空は、最初は目標の存在でした。だけど、私じゃ空には勝てなくて…」

一つ一つの想いを、言葉にしていく。

「一緒に妖退治をしていくうちに、私は誰よりもあいつを信頼できることができた。私は、誰よりも空を信頼していて、大切な存在だ」

最初は、私のなかでの目標の存在だった。

だけど、互いの気持ちや温もりを感じて、私にとって空は、大切な存在であって、愛しい存在だ。