そんな私の姿を見た凛空は、軽く笑うと私の頭に手を乗せる。

「凛空?」

「まさか、お前が謝るなんてな」

「わ、私だって謝るよ!」

凛空の手を払い除け、私は生徒会室から出る。

「どこ行くんだよ?」

「帰るの!用事はもう済んだから」

私は、自分の教室に向かって歩き出す。

「ほんと、素直になれないやつ」

「ほんと、意地悪なやつ」

でも、ちょっとだけだけど凛空と話せて良かったかもしれない。

「帰る前に化学室に寄っていこうかな?」

私は化学室へと向かい、教室の扉を開ける。

だけど、まだ夕方だから妖の気配はしない。

「やっぱり、夜にならないと分からないかな?」

化学室の扉を閉めて、もと来た廊下を戻る。

「あれ?」

でも、そこで私は違和感を感じた。

(この廊下さっき通ったよね?)

後ろを振り返っても、違和感は感じた。