輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

【空】

まだ朝日が出る前のころ、俺は屋敷を出る準備をしていた。

いよいよ今日、青龍の元へと向かう日だ。

誰にも見つからないように、俺はそっと屋敷を出ようとしたとき。

「空様」

「うっ!」

名前を呼ばれて肩が上がる。

「こんな朝早くに、どこへ行くのですか?」

「き、菊夜…」

菊夜には、嘘を言ってもお見通しなんだろうなぁ。

「もしかして、妖退治に行かれるのですか?」

「そうだな。妖退治っていうか、仲間を迎えに行く」

「仲間ですか?」

「最後の仲間だ。これは、俺がやるべきことなんだ」

「でも、そのお体では…」

その時、俺の周りに十二天将たちが現れる。

「大丈夫だ。俺は、一人じゃない」

菊夜には、十二天将たちの姿は見えていない。

だけど、何かを感じたのか、俺の元に来ると手を握ってくれる。

「私は待っています。必ず帰ってきてください」

「あぁ、それとな菊夜。腹の中の子の名前なんだけど」

「はい?」

「幸(こう)は、どうかな?」

「はい、とてもいい名前だと思います」

俺は、菊夜の頭を優しく撫で屋敷を出た。