輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

【ぬらりひょん】

『よぉ知世音、迎えに来たぞ』

「どちら様ですか?」

この女、俺のことを見て驚かないのか?

(ますます、面白い女だ)

『俺は、ぬらりひょんだ』

「聞いたことがありません」

『はっ?』

こいつ、俺を知らないだと?

『本当に俺を知らないのか?』

「はい、私は兄様や凛音みたいに力がないので、陰陽師のことには詳しくないのです」

嘘を言っているようには見えないな。

でも、陰陽師の家に生まれていながら、力を持っていないやつが居るとわな。

『そうか、まぁ別にいい。お前はこれから俺の嫁になるのだからな、じっくり俺のことを知っていけばいい』

「誰がぬらりひょん様のところに嫁ぐと言いましたか?」

『俺が決めた』

「そうですか、貴方って意外と自分勝手ですね」

『それが俺だ。お前だって嫌だろ?知らない奴の家に嫁ぐなどと』

「妖のところに嫁ぐよりは、私は構いません」

い、意外と言い返してくるな。

『人間とは、不思議なものだ。好きでもない奴の家に嫁いでどうするというのだ』

知世音は、俺をじっと見てきて言う。

「家のためです。力のない私は、あの家に居ても足手まとい、だから私は蘆屋の子孫を残すために、嫁ぐのです」

そんなの、家の事情だろ。

『そんなのが掟だと言うなら、俺がお前をさらってやる』

「え…」

『決められた自由なんてつまんねぇんだよ。自由は自分で掴むんだよ』

俺は、自分の手に力を込める。