【空】

「凛音ちゃんには、ちゃんと伝えられたんですか?」

「あぁ、ちゃんと伝えてきた」

俺は、目の前にいる十二天将たちの顔を見る。

「朱雀、太陰、天后、玄武、太裳、一ヶ月後に最後の仲間の一人、青龍を迎えにいく」

「迎えに行くってよりか、仲間にしに行くんすよね」

「ま、そうだな」

「でも、大丈夫なのか?」

「何がだ?玄武」

玄武は、心配そうに俺を見てくる。

「お前の体は、符を使うごとに毒が体を侵して行くんだぞ」

「玄武の言う通りだよ空、僕たちの力を使ったら、死ぬんだよ」

「なんだ朱雀、珍しく俺の心配でもしてくれるのか?」

「僕だって、主の心配くらいするさ」

朱雀も俺のことを心配している。

いや、今目の前にいる全員が俺のことを心配している。

主として情けないか…。

「心配するな、俺を誰だと思ってるんだよ」

俺は、五人の前で宣言をする。

「俺は、必ず青龍を仲間にする。そして、ぬらりひょんをこの手で倒す。その為には、お前たちの力が必要なんだ」

俺は、自分の手を五人の前に差し出す。

「だから、俺に力を貸してくれ。大丈夫だ、俺は死なない!」

最初に俺の手を掴んだのは、太陰だった。

「私は、どこまでも空様と行くつもりだよ」

「俺もっすよ」

「僕も」

「俺もだ」

俺たちは、玄武に目を向ける。

「行くなと言いたいが、行くのがあんただ。俺は、この命空様に預ける」

玄武も、俺の手を掴んでくれた。

「皆…、ありがとう」

俺は、深々と頭を下げる。

「凛音様の為にも、帰ってこないとな」

「そうだな」

俺は、自分の手のひらを見る。

必ず帰ってくる、お前と天の元に。

俺は、死なない。

あいつを倒すまで、凛音を幸せにするまで、生き抜いてやるさ。

その為にも、力は貯めてきたんだ。