「なんだよ、久しぶりに会ったのに、そんなしけた顔して。ここは、喜ぶところだろ」

「だって、来ると思ってなくて」

「そんなことより」

空は、私のところへと来ると、いきなり私に接吻をしてきた。

「ん!」

ちょ、いきなり何するの?!

「い、いきなり何するの?!」

「お前がすげぇ綺麗だから、したくなった」

真顔でそんなこと言われたので、私の顔は真っ赤になる。

「はぁ、あいつに渡したくねぇ…」

「あいつって、秦のこと?」

「そうあいつ、お前は俺のなのに」

空は、私を引き寄せて抱き締めてくれる。

「本当に今日のお前は綺麗だ。今までで一番」

「ありがと、この姿を空に見せてあげられて良かった」

私は、かんざしのことを思い出す。

「そうだ、このかんざしありがと、それに式文も」

「気に入ってもらえて良かった」

空は、私の手を取ると、私を見つめる。

「あの式文に書いてあることを、今ここでいう」

「うん」

「凛音、俺はお前とずっと一緒にいたい。誰よりも愛してる」

「なんだか、二人だけの祝言をあげてるみたいだね」

そう言うと、空は笑う。